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小児科

 「冬の嘔吐下痢症」の家庭看護

 冬季に、6ヵ月〜2歳位の乳幼児の間で嘔吐下痢症が流行します。脱水症になりやすいので、家庭での看護が重要です。

症  状  
 
  激しい嘔吐で突然発症し、半日後頃より下痢が始まります。 38度〜39度位の熱が出たり、軽い咳や鼻水などの風邪症状も見られます。激しい嘔吐が1日〜2日間続きますが、やがて止まります。下痢は軟便からまもなく泥状便となり、粘液や血液を含まない頻回の水様便となります。便の色は黄色か緑色で、しばしば白っぽい便になります。下痢は3〜4日間は激しく、1日5回位からひどい場合には15回位にもなります。やがて、徐々に排便回数が減って有形便になります。全経過は約1週間です。

 

原  因  
 
 65%はロタウイルス。その他、ノロウィルス(小型球型ウイルス)、アデノウイルスなどが原因になります。

 

感染経路  
 
  主な感染経路は糞口感染です。発症後少なくとも1週間は糞便中にウイルスが排出されます。おもちゃや衣類など感染者の周囲の物を介して間接接触感染で広がります。

 

潜伏期間  
 
 1〜3日

 

病気の特徴  
 
  冬の嘔吐下痢症は、嘔吐と下痢の量が非常に多いため、身体から水分と電解質が急速に失われ脱水症状になりやすく、治療が不適切な場合には死亡することもあります。この病気の治療看護のポイントは、家庭での食事療法や、病院での輸液療法や止痢剤の投与により脱水を防ぐことです。また、二次性乳糖不耐症になることが多いので、乳糖分解酵素を使用したり、乳製品をやめ乳糖を含まないミルク (ラクトレスミルク)を与えることがあります。

 

観察のポイント  
 
@脱水の程度:尿量が少ない、舌が乾いている、泣いても涙が出ない、ぐったり
  して元気がない、顔が青白くなりウトウトする、皮膚の張りがない、体重減少
A嘔吐の状態:吐物の性状、量、回数
B排便の状態:性状 (軟便・泥状便・水様便)、回数、量、便の色、便の臭い
C経口摂取量:食べ物の種類と量
D発熱の有無:有・無

 

嘔吐下痢症の栄養法  
 
A.初期の嘔吐のひどい間 (初めの半日間くらい)

  経口摂取を中止せず、水分・電解質の多いものを少量ずつ (スプーン1杯〜
20〜30ml)を頻回に(30分前後に1回)与え、徐々に増量します。
  母乳・人工乳栄養児では、哺乳を中止せず、授乳は 1回7〜10分くらいまで、
1〜2時間毎に与え、適宜、経口電解質液を加えます。
    《飲ませるもの》
  ◎経口電解質液(大塚 OS-1、ソリタ顆粒を湯ざまし100mlに溶かしたもの。
   ただし、味の点では劣る)
  ○乳幼児用イオン飲料 (アクアライト、アクアサーナ)
  ○野菜スープ、味噌汁の上澄み
  △スポーツドリンク (ポカリスウェット、アクエリアス。塩分、特にカリウムが
   少なく、糖分が多すぎるため、経口補液としては適当ではない)
  △すりリンゴ (リンゴジュースはダメ)
   
    《避けたいもの》
  ×オレンジジュース、トマトジュース、さとう湯

B.嘔吐がおさまって下痢が続いている時期 
 
嘔吐がなければ直ちにいつも食べなれている食事を早期に開始します。
    《食べさせるもの》 
  ○ 2/3〜3/4にうすめた希釈乳 ( ただし、経口電解質液を併用すればミルク
   を薄める必要はありません。薄めすぎはむしろよくありません。)
  ○離乳食の場合は、いつもより、軟らかく水分・塩分を多めにしたものを与える
  ○幼児には消化のよいデンプン等の糖質(例:うどんのくたくた煮、つぶし粥、
   おじやなど)を与える

    《避けたいもの》
  ×牛乳・乳製品
  ×繊維の多い野菜、さつま芋、海藻類
  ×脂肪の多いもの(天ぷら、中華料理、脂肪の多い肉、脂ののった魚)
  ×発酵しやすいもの(砂糖が多く含まれているもの、栗、さつま芋、生の果物、
   豆類)
  ×消化しにくいもの(貝類、イカ、タコ、赤飯、ラーメン、漬物)

C.食欲と元気が出てきたら(便が黄色、軟膏状便、 1日3回くらいの時期)
  @1週間くらいかけて今までの食事に戻していく
  A下痢がひどくなったら食事内容を少し戻し、1〜2日様子を見る
      〔お粥、軟らかく煮た野菜、豆腐 ※ 、卵黄 ※ 〕
                  ↓   
      〔軟飯、うどん、パン、みじん切野菜、白身魚 ※ 、
                卵類 ※ (半熟卵、茶碗むし、卵豆腐)〕
                  ↓(※アレルギー素因のある小児では注意が必要)                                     〔普通食〕
  B薄めたミルクを普通の濃さに戻す・牛乳を再開する

 

安静・保温  
 
  嘔吐下痢が激しい時は安静、臥床とします。身体を冷やさない様に保温に気をつけましょう。

 
                    
清  潔  
 
  入浴は、下痢があっても元気が良ければかまいません。ただし1日 10回を越える下痢、嘔吐、発熱といった症状があるときは、身体を消耗させるので控えてください。清拭はかまいません。排便後は、殿部浴を行なったのちドライヤーで乾燥させ、お尻がただれないように気をつけましょう 。

 
                                 (2002.8)

 

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